それぞれの、「managaraデイズ」。

教えて!

Managara Days

中村 文彦さん

中村 文彦さん

プロフィール
有限会社インプレッションが運営するサロンimpression駒沢店店長。高校卒業後、山野美容専門学校に進学。27歳で店長に任命され、美容師として第一線で活躍しながら約20年にわたって経営にも携わる。46歳でmanagara入学。一男一女の父。

仕事と家庭がある今、挑戦できる学びがある。
全力疾走の仕事人生で置いてきたものを求めて

緑豊かな駒沢オリンピック公園にほど近い「impression」駒沢店。半地下の店内には、ゆったりとパーソナルスペースを確保した洗練のサロン空間が広がります。店長を務めるのは、2021年4月からmanagaraで経営学を学ぶ中村さん。すでに経営者として腕を振るう中村さんが、改めて学び直しを決意したのはどのような背景があったのか、お話を伺いました。

勉強が好きではなかった高校時代。
華やかな美容の世界に憧れ現場に飛び込んだ

美容師を志したきっかけは

小学6年生の時に初めて美容院で髪を切ってもらったんですが、仕上がりはもちろんお店で働く人達も華やかでかっこよくて、憧れから始まりました。

将来は美容師になろうと漠然と決めていたので、都立高校に進学したものの卒業さえすればいいと思っていました。この歳で勉強を始めるとその楽しさにも気づけますが、当時はいわゆる“不良グループ”の中にいて、周りに勉強する環境や雰囲気自体がなかったし実際に勉強は好きではなかったですね。

専門学校での学びはどうでしたか

当時は1年制(現在は2年制)だったのですごく忙しかったです。1年で技術と知識を学んで翌年にインターンでお店に出て、国家資格を取るという流れでした。1年しかないので1日も休むことができないし、毎日の実技の授業は立ちっぱなしで、疲れていても「現場は座れないよ」としゃがむことも許されない。とことん鍛えられた日々でした。学科は難しい内容ではないですが、やらなければ試験に受からないのでそこは頑張りました。それまでの人生で一番勉強した時期ですね。

その後美容師として働き、このサロンの立ち上げの時に今のオーナーに声をかけてもらって、27歳で店を任されました。当時は自分の実力にまだ自信もなく不安もありましたが、新店が自分の地元という縁も感じ、またとないチャンスだと思い受けることにしました。そこから日々がむしゃらに働いてきて、今があります。

目標に向かって努力する父親の背中を見せたい。
妻の後押しでmanagaraへの入学を決意

managaraを知ったきっかけを教えてください

毎月髪を切りに来てくれる友人から、こんな面白い大学があるらしいよって施術中に話を聞いたのがきっかけです。聞いた時は今の時代、そんな大学もあるのかと感じたくらいで、友人に「入学してみる?」と勧められたのですが、その場では「いやいや……」と世間話程度で終わりました。

でも自分の中に何か引っかかるものがあったみたいです。帰って妻にその話をすると「面白そう、やればいいじゃない」というひと言が帰ってきて、それからしばらく悩みましたね。

今の僕の状況で、改めて経営を学ぶ必要があるかといえばそうではないんです。これまで20年以上経営に携わってきて、小売も経験し我流ながらマーケティングのノウハウもあります。卒業する頃には50歳でそこから転職するわけでもないし、学位を取ったからといって何かが変わるわけでもない。自分の周りに実は大卒者はほとんどいないんです。でも、自分を含め“継続は力なり”でひとつの仕事に打ち込んで社長や経営者になった人はたくさんいるし、高学歴でも成功とは言いがたい転職を繰り返している知り合いもいて、学歴はあまり重要ではないと思っていた部分は正直あります。

あとは仕事と両立できるのかという心配もありました。やるとなったら最後までやり遂げたい自分の性分やプライドもあるし、友人の前で「やる」と決めてしまったものを、途中で安易に投げ出すわけにもいかないですしね。

決め手になったものは何だったのでしょうか

妻の強い後押しと、高校3年生の息子の存在でした。息子は今年受験生なので、僕も何かに向けて努力する“父親の背中”を見せたいという気持ちがありました。あと、もしかしたらどこかで高卒の自分にコンプレックスを持っていた部分もあるかもしれません。妻の家系は大卒の方が多いですし、僕の子ども2人も大学に行く可能性が高いことを考えると、今の自分に誇りはもっているけれど、自分にも学位があってもいいなとも考えましたね。

学びで得た気づきが足元を照らしてくれる。
課題は仕事と私生活に学びをどう組み込むか

managaraで実際に学んだ感想は

楽しみながらやっています。受講からレポート提出まで、スマホで全部完結できるのはすごいですよね。途中途中の小テストで理解度がわかるので、テストの出来が悪かったらもう一度講義を見直したりもします。

講義は特に「モラル」と「モチベーション」が興味深かったです。従業員がいるのでモチベーションの授業はとても参考になりました。僕が駆け出しの頃、美容師の世界には厳しい師弟関係があって上の人間に泣かされるなんて日常茶飯事でしたけど、今はそんな人の育て方はパワハラと言われる時代。その視点からモラルの内容も面白かったです。この2科目はテストが難しいこともあって参考文献を購入したんですけど、それも新鮮な体験でした(笑)。

学ぶってマイナス要素がなくて、周囲がすごく応援してくれるんですよね。家族はもちろん、お店で学び直しのことを話すと、お客さんにも認めてもらえます。

一方で、仕事をしながらの勉強は本当に大変なことも実感しています。僕はこの歳になって勉強することを選んだけど、10代、20代で学ぶのと40代で学ぶのは吸収の早さも違うと感じます。受験生の息子にも「勉強はできる時にやっていた方がいい」ということを言えるようになりました。

忙しい中でどのように学ぶ時間を取っていますか

今はコロナ禍の時短営業期間で早めに帰宅できるので、その後の時間を使っています。我が家では毎日、小学生の娘が夜8時から1時間勉強するという習慣があるんですが、受験生の息子と僕がそこに加わって3人で机に向かっています。とてもいい時間です。
ただそれだけだと時間が足りないので、仕事やプライベートの空き時間の5分、10分で講義を受けたり、レポートを書いたりしています。講義は録画なので1.5倍速で聞いたりすることもありますね。基本的に仕事とプライベートは分けるべきだと思っているので、とにかくやれる時に一生懸命取り組んでいます。

今は自分の楽しみや家族との時間を後回しにして講義を受けたりもしますが、それだけでは長続きしないと思うので、学びの時間を生活の中のルーティンワークに組み込めれば続けられると思っています。今はその試行錯誤の最中ですね。講義も本来ならきちんと順序通りに受けていきたいんですが、仕事の忙しさや内容の難易度によって受講するものを選んでいます。仕事が忙しい時にレポート課題はなかなか進められないので、そういう自由さも気に入っています。

感覚×理論で経営手腕を確かなものに。
学びたいと思った時が学び時

managaraで学んだことをどう生かしていきたいと思いますか

学び直しの目標は何ですか、と良く聞かれるんですが、今はとにかく“卒業すること”。始めた挑戦を最後までやり遂げることです。

自分の仕事に生かせるという期待はあります。いつかオーナーも引退し、今後の経営をどうしていくか、オーナーと話す機会が将来的にあると思います。僕は経営を肌で感じながらここまで来たわけですが、その時には肌感覚だけじゃない理論的な経営の話ができるんじゃないかと思います。今後マネジメントも学ぶことになるので、長く一緒に働いているスタッフから「店長変わりましたね」っていい意味で言われたいですね(笑)。

20代でトップに立ってからがむしゃらに走り続けてきて、置いてきたものや忘れてきたものがあると思います。学びながら気づきを得て、自分の武器にしていきたいですね。

managaraへの入学を検討する人へメッセージをお願いします

managaraは自分で学び方を決められるので、やりたいことが別にあったりお金を貯めたり、学ぶこと以外にもうひとつ目標を持っている人には本当にいい学びの場だと思います。

人とコミュニケーションを取りたい人はキャンパスで学ぶのがいいのかもしれないけど、コロナ禍で大学の授業もオンラインに切り替わっていますし学びの状況は同じです。息子も経済学部を目指しているので、通学が中途半端になるくらいなら一緒にmanagaraで勉強しようと言っています。

これからさらに何かを学んでいこうという社会人も多いと思いますが、そう思ったら絶対にやった方がいい。僕は学びを応援してくれる家族や、認めてくれる人がいる今だからこそ学べると感じています。

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